社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2021年05月17日

今から早速出来るカイゼン2つ


 鮮度保持をしっかり行うことを前提に、販売の前々日出荷を産地にお願いしている。その際、他市場分もお預かりしているが、遠隔地のものについては運賃がかさんでしまうため、箱まで変えて(市場協会が推奨している箱サイズに変えたり)入り本数を多くしたり等、生産地は工夫を凝らしている。  

 運賃問題は今後の大きな課題だ。このコロナ禍で生産者が出荷するのは、地元市場と帰り荷が期待出来る大消費地の二つだ。それ以外の地域では、今までの入り本数や流通の仕組みだと、運賃が高くなってしまうため出荷してもらえなくなる。従って、入り本数を多くしてもらい、市場で小分けして販売する等の仕組みづくりを早急に行っていく必要がある。そうすれば、県庁所在地にある基幹的な花市場にも荷物が行き届く。その市場は、販売に少し手間はかかるが、産地と直接話をして品揃えを行うことが出来る。その地域の買参人は、鮮度の良いものを多数揃えることが出来る。そして、地域の人たちに喜んでもらえることに繋がる。他にも地方市場が産地から直接出荷してもらう方法があるかもしれないが、入り本数を増やすことはやる価値があるだろう。花き装飾文化は、地域それぞれで異なる。その地域に合った、特にメインの花については、直接産地からもらうことが必要だ。

 もう一つ、生産地で行っていただきたいことは、品種数を絞ることだ。特に、通年出荷されている品目に多いが、品種数があまりにも多すぎて、担当者以外に分からないことがしばしばある。新しい品種が出ると、以前のものにプラスして生産・出荷している人が多いので、以前から生産している品種と新品種が競合してしまうのだ。どちらが良いかをしっかり吟味し、品種を絞って生産してくれれば、生産上の合理化に繋がる。また、買参人の選ぶ手間も減る。普段使いのものなのか、特別な場所でつかうものなのか、あるいは、今年の流行色に合わせた色使いなのか等々、同じような使いどころの品種が二つあっても仕方がない。花持ちや水揚げ、色合い等が50歩100歩だとすると、品種を絞るべきだ。  

 攻めの姿勢で品種数を減らす、そして、運賃コストを下げる為に入り本数を増やす。この2つの改革を是非ともお願いしたい。これが「コストを下げて良いものを」の実現に繋がるのだ。  


投稿者 磯村信夫 13:45