社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2019年04月08日

デフレのプレートで活動していることを自覚せよ


 本日はお釈迦者様の誕生日を祝う「花まつりの日」だ。お寺によっては昨日の日曜日に花まつりをしたところもある。檀家さんだけでなく近所の人たちもお寺に集まり、賑やかなことだったろう。また天候にも恵まれたので、小さな子どもが多い大田区では、花まつりの後に桜が満開の公園へ、子どもと一緒に散歩に行った方も多いのではないだろうか。

 特区民泊を設定している大田区では、従来のマンション経営だけでなく、空室を民泊用のホテルにしたり、月極駐車場の空きも時間貸しにしたりしている。つまり、本来の商売にプラスして他からの収益を得られるようにしているのだ。少子高齢化から人口が減り、これまでの狭い住まいからもう少しゆったりした生活空間の部屋に移れるはずなのだが、今までの成功事例からオーナーはワンルームマンション等を建ててしまったところが多い。これが空き室になっていたがインバウンド需要のお陰で民泊が流行ったので、大田区の主に賃貸マンションのオーナーたちはかなり喜んでいる。駐車場も同様だ。駅から10分だったら車は要らない。15分〜20分であればいるかもしれないが、車を持つのはコストがかかる。結局、駐車場は空いてしまう。そこを時間貸しにすれば、違法駐車で摘発されるよりはお金を払ってでも、と大田区ではなっているのだ。自転車も障害物が減ってより安全に走れる。
 
 申し上げたいことは、少子高齢化と人口減少に伴い需要が減少し、基本的にデフレとなっている日本において、それを克服する為には新しい切り口で逃していた需要を拾わなければならないということだ。上述した通りお寺でもそうしているし、公園も子どもだけでなく大人も楽しめるスペースとして、自然を感じられる花や緑の場所として用意しておかなければならない。賃貸マンションの空室や駐車場もそうだ。そしてそれは、花や野菜もそうなのである。花き業界でも、取り逃していた需要を取っていくことをまずやる。そして、本業の無駄を排除し、本業に関連したその会社にある資産を利用した新しいビジネスを行なっていく必要がある。これらをやって初めてその事業体が成長出来るのだ。これは個人も同様だ。サラリーマンであれば今後は本業+副業の形態が多くなる。会社で規制されていれば本業+ボランティアかもしれない。社会を良くするための諸活動は多岐に渡る。また、現代の日本社会では女性の活躍と高齢者の活躍も必須だろう。こうして生鮮食料品花き業界も前年を上回ることが出来る。放っておけばデフレになるのが当たり前の日本だが、「そうはさせまい」と政治も、我々経済人も努力していくということである。
 
投稿者 磯村信夫 11:50