社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2019年02月04日

オススメします。アルツ磐梯スキー場


 2月2日・3日の土日に、毎年恒例の家族旅行へ行った。私の誕生日祝いを兼ねたスキー旅行だ。旧正月と重なる今年は、いつも宿泊している岩原スキー場のホテル(中華系のアジアの方たちがお目当てにしているホテルだ)が満室だったため、福島県の磐梯山にある、星野リゾートがマネッジする磐梯山温泉ホテル/アルツ磐梯のスキー場へ向かった。ここでまず驚いたことは、外国人が殆どいなかったことだ。私が好きな白馬山系や赤倉では、滑っている人の半分近くがオーストラリアや中華系、一部韓国の人たちだ。また、磐越西線に乗ると、同じ福島でも猪苗代まではオーストラリアや中華系の人も多い。磐梯までは足を伸ばしてこなかったのだろうか、恐らく殆どが日本人の宿泊客とスキー客であった。旧正月の休暇の時なので、なおさら驚いた。

 さて、磐梯山温泉ホテルに泊まって驚いたことはこれだけではない。大変勉強になり、自分の仕事で反省させられることも多かった。本日はそのお話をさせていただきたい。宿泊当日、 私は午前中に仕事を終えてから向かったので午後に到着したが、家族は先に到着しており、一滑りしてから部屋に入った。チェックインは15時なので、チェックインする前に先に滑る。その際、チェックイン前でもスキー用ロッカーを使用出来、チェックインをして部屋に向かうと、フロントで預けていた荷物をホテル側が部屋まで運んでおいてくれていた。海外のホテルでこのようなサービスがある。ポーターにチップをあげれば良いのが海外ホテルのスタンダードな状況だろう。これをこの磐梯山温泉ホテルでは無料サービスしてくれる。そして、夕食のバイキングでもきちんと時間と席を指定して、混み過ぎないようコントロールしてくれている。しかも、特別のオススメ料理を「これだけはどうしても食べて行って欲しい」と提供してくれる。また、宿泊当日の夜のお風呂では、無料のお酒をサーブしてくれるので、雪見酒が楽しめる。朝食も6時30分から食べられて、これもバイキングだが、地元料理で特にオススメするものを数種類揃えている。もちろん、コーヒーはロビーに行けばいつでも無料で飲める。スキー場も土曜日はナイターを営業していて、それもしっかり長い距離で3キロ近くある。とても贅沢なナイターだ。そして、宿泊者限定で朝7時30分からゴンドラに乗ることが出来る。一般のスキーヤーは8時からだ。殆ど人のいないところを、気持ちよく滑ることが出来る。整地した後なのでシュプールの後も残る。そして、13時にチェックアウト。普通のホテルは大体11時なのに、2時間も長くしてくれている。午前中いっぱい滑って、その後お風呂に入ってから荷造りをし、スキーや靴等を宅配便に出して、それからチェックアウト出来る時間だ。そういえば、朝6時からのヨガ教室があったりと、スキーをしない人に向けたイベントも充実していた。

 チェックイン前の着替えの場所や荷物の預かりから始まり、13時のチェックアウトまで、ちょっとした心遣いが随所にちりばめられた素晴らしいホテルだった。この「ちょっとした心遣い」、これは大変大きいことだ。お客さんの視点に立った「ホテルライフ」運営の賜物だろう。星野リゾートの社長はスキーヤーだから、バーンも本当に満足出来るものだし、磐梯でこんなに大きいスキー場は少ない。また、天気が良ければ磐梯山や猫魔ヶ岳、目の前の猪苗代湖、そして、会津盆地を楽しむことが出来る。風光明媚なことといったらない。温かく優れたサービスと、一流のスキー場のバーン。これは人に薦めたくなるスキー場と宿だ。
 
 最後にチェックアウトする際、きちんと封筒に入れて領収書を渡してくれた。一定のグレード以上のホテルのルールだ。そしてその中には「お気付きの点があったら教えてください」と、PCか携帯で送れるアンケートの依頼用紙が一緒に入っていた。”お客様がもっと満足出来るように”という姿勢だ。
 
ちょっとした手間暇で顧客満足が素晴らしく高くなるということを、星野リゾートは知っている。そしてそれを、従業員たちが自分で考えて実行していく。この主体性は見ていて本当に気持ちが良かった。お天気に恵まれた所為もあるが、清々しい気持ちで恒例の誕生日のスキーをして家に戻ってくることが出来た。花き業界の仕事においても、「ちょっとした心遣い」に、もっとお客様に来てもらう、 あるいは良い取引が市場で出来ることに繋がるのではないかと思う次第である。
 
「企業品質」、「社員品質」、「商品品質」の観点で言えば、MPSジャパンでは、取扱う花の品質や、業種として行うサービスの質だけではなく、利用者の立場に立って、あるいは、従業員の立場に立ってどうなのか、その視点まで含めて品質チェックしてくれている。我々は本当にカスタマーの立場に立ってサービスを提供出来ているだろうか。再度見直して、自分都合になっていないかチェックする必要があると思いながら戻ってきた。
 
 
投稿者 磯村信夫 16:40