社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2021年10月25日

エネルギー高


 昨日、御殿場にゴルフに行った帰り、13時半に東名高速に乗ったのに、海老名の大きな事故で東名高速が封鎖され、それに巻き込まれて結局、家に着いたのは18時過ぎだった。2時間も全く動かない中で、主要高速道路を使って遠隔地から花を輸送してくれている産地の運転手さんは、度々渋滞に巻き込まれて大変なことだろうと改めて実感した。渋滞にはまっている最中周りを見ると、運動をしている人や、エンジンを止めてガソリンを少しでもセーブしようとしている人がいた。

 31日より、イギリスのグラスゴーでCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)が開催される。ガソリンはもちろんのこと、エネルギー源が世界的に不足している中での開催だ。例えば中国では、北京も上海も計画停電が行われている。また、確かヨーロッパでは、北海に面した地域で風力発電を多く扱っていたと記憶している。イギリス・ドイツでは、風力発電他、再生可能エネルギーが総電力消費量の4割以上だ。北海では一日中、安定して風が吹き、風力発電には最高の立地だ。太陽光発電は昼間しか駄目だし、曇ってもいけない。冬は光が弱い等、北海の風力発電に比べて、ハンディキャップがある。しかし、その北海で、風が安定してふかなくなっているそうだ。原因は分かっていない。これがLNG(液化天然ガス)や石油の需要を押し上げ、コロナ下で、世界中の産業が復活してきている中というのもあるが、全てのエネルギー需要が高まる原因の1つにもなっている。アメリカのシェール・オイル生産は40米ドル程で損益分岐点を上回るので、足元での原油価格の上昇で今後アメリカの増産を期待したいところだが、1ドル115円に迫りそうな円安と、この冬の北半球のラニーニャ現象の予想から、そう簡単には原油価格は下がらない。今後どのように燃料を効率的に使うか。花き生産農家は、この冬場をどう乗り切ろうかと頭を抱えている。当社も生産者と協力して進めていきたい。

 少し脇道に逸れるが、太陽光発電パネルの下を利用した花き生産に、大田花きの営業開発室では取り組んでいる。草ぼうぼうにしておくのはもったいない。榊やユーカリ等、そこに有用植物を植えて市場に出荷してもらおうと思っているのだ。構想が形になってきたので、太陽光パネルの下も、品物を選べばとても優秀な花き栽培地になることをお知らせしたい。

 先週の土曜日、結婚披露宴に出席した。ようやく披露宴が堂々と出来るようになってきて良かったと思いながらも、ソーシャルディスタンスを意識して、テーブルには4人か5人しか席を設けることが出来ない。この現状を考えると、披露宴会場の運営業者は、今後は値上げも検討していかなければ難しいだろう。披露宴会場だけではない。JR電鉄も値上げを行っている。色々なものがそうなると思うが、今後、withコロナの世の中で、経済が劇的に良くなるというよりは、値上げが行われて、消費者からすると困ったことになる経済状態になるのではないか。その中で、花き業界も経済成長を目指さなければならない。今後生活者は「値段が安いからこれで良いか」と安いもの買う。あるいは、好きだから買う。「これが良い」とこだわりを持って買う。この二極化するだろう。せっかくコロナ下において生活者は花や緑を必要だと感じてくれて、身近に置く人が増えたので、「時間やお金を使っても花を選ぶのは楽しい」。こう思ってもらえるように、さらに必要不可欠なものにしていきたい。そして、その為のプロモーション活動やイベント等、今後、積極的に行っていかなければならないと思った次第である。   


投稿者 磯村信夫 14:40