社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2019年04月15日

どの花が和花、洋花?


 大田花きの運営体制として、取締役会があり、その下に執行役会がある。そして取締役が執行役まで含めた経営スタッフの選任、報酬の決定、業務監査、会計監査まで担当している。取締役は私を除き全員非常勤で、他社の役員クラスの方であることが殆どだ。その人たちが方針等を決め、執行役がそれに従って実行している。

 先週開催した執行役会には、取締役のお二人にもご出席いただいた。その際、営業本部長が3月の営業成果を報告する時に、「仏花」、「和花」、「洋花」の市況の強弱について触れていたが、「具体的にこれらがどんな花を指すのか不明瞭である」と、少しだけ話題になった。そういえば、12日(金)『NHKマイあさラジオ』の5時台の番組で、(株)大田花き花の生活研究所の内藤さんが、「市場だより」としてシャクヤクの話をしていた。和装にも合うので、着物を着る時シャクヤクを帯飾りやヘッドドレス等にしても綺麗だそうだ。シャクヤクは正式には日本ものではなく、「東洋風」ということであろう。
 
 現代のポピュラーソングは、広くアジアスポーツ大会でも活躍するアジアの方たちが、ヨーロッパや北アメリカで多く生活し、東洋の音楽と従来からの西欧のポップスとを上手に交わせて出来た曲も多い。経済力の観点から見ても、トルコ、インド、中国、そして日本があるように、広くアジアが注目されている。かつてのソ連邦の「〇〇スタン」という国々は、いずれも独立してアジアの国々だ。アジアが人口・経済力ともに圧倒的な力を持ってきた中で、もう一度、市場流通している花においても、「西洋風」、「アジア風」、そして、一国一文明の「日本風」に分けて、どんな花が今売れているかどうかを公表すべきではないだろうか。明治時代より前から生産・流通していなければ「みんな洋花だ」という認識では困る。誰かこの辺りをしっかり分類する人がいれば良いのだが。例えば、エジブトの花であるキンセンカは、既に日本のトップフローリストたちは西欧感覚でデザインに取り入れている。しかし、一般的には仏花素材だ。では、仏花は「和花」なのだろうか。これも何か違うように思う。どうも、市場用語は何となく分かるのだが感覚的過ぎて困る。共通語で話が通じるようにしていければ良い。
 
 さて、GWの10連休中、どのように品揃えをして販売するかが社内で話題になっている。日本から脱出する人も多いかもしれないが、あの海外旅行の値段を見ると(国内旅行も同様だが)、GW中ずっと行きっぱなしの人はかなり少なそうだ。少なくとも「毎日が日曜日」のリタイア組はこの時期には行かないだろう。前半に旅行や遊びに行き、後半は家でゆっくり過ごす方が多いのではと想定している。また、ある花屋さんがアンケートを取ったところ、令和元年だから神社や仏閣へお参りに行く人が多いそうだ。なる程。そして、天皇即位のお祝いごとだから葬式は日程をずらし、逆に例年のGWでは外すのが礼儀のようになっている結婚式が、今年は需要があるようだ。2000年の頃ミレニアム婚が流行ったが、数字で表すと約5%も婚姻組数が伸びた。おめでたい事にあやかりたい需要があるのだとすると、10連休が終わった後の母の日の需要も伸びるのではないか。団塊ジュニアの子供達も一定に年をとり40歳代になったから、歳をとってきたお母さんと過ごすことがとても大切な要件になっている。10連休中、あるいは母の日に、花を持ってお孫さんと一緒にお母さんを訪ねるのではないか。こんなイメージを持っている。また、「母の日参り」も例年のGWよりも多くなるだろう。
 
 新しい年号になり、花き業界にとっても大変なビジネスチャンスである。しっかり品揃えをして日本の生活者の休日の過ごし方に合うよう、販売促進をしていきたい。そのためにも備えを怠らないようにしていきたい。
 
投稿者 磯村信夫 12:30