社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2021年04月26日

経済力、成長の必要性


 3度目の緊急事態宣言初日の日曜日、前から外出を予定していた人も多く、それなりの人出だったようだ。本日26日から、実質的に緊急事態宣言への協力がサービス供給サイドも一般市民も本格化する。さて、このリモート時代を見回すと、在宅では仕事をしない人や管理できない管理職がいる一方で、リモートでも成果を上げている人も多い。それは上げるべき成果と役割が明確になっているからだ。従って、どこにいても自身の仕事をこなそうとするし、出来ない場合には上司や同僚に積極的に協力を求め、仕事の成果を上げている。日本人一人一人が、自身の市場価値を意識し働く時代になってきたということか。  

 日本における鉢物や苗物等の園芸品の2020年度の卸売市場売上は前年比100~105%、切り花は85~95%の範囲の市場が多い。一方、オランダのフローラホランドでは、EUでロックダウン等の強い措置が続いていても、前年比97%まで回復させている。物流網が逼迫しているズタズタの最中にだ。これは、需要にピンポイントで供給出来ているということだ。日本でも、「マーケットイン」ではなく「ユーザーイン」の考えで、モノ、スペック、タイミングを推し量り、生産し、供給しなければならない。このコロナ禍で困難になっている需要、逆に盛んになっている需要がある。活発化の可能性のある場所で使用してもらえるよう消費振興活動を行い、アフターコロナの段階で成長出来るようにしておく。また、デフレ懸念から、スーパーマーケット等では、様々なものの小売価格を下げようといているが、花の場合は市場相場が小売価格に反映されないことが多い。家庭需要の鉢物や苗物、そして、切り花も卸売価格が上がっているものが多いので、小売価格にも相場を反映させ、消費者に現状の需給バランスを説明して購入してもらう。そして、生産者に多くの手取りをもたらす。生産者はもっと多く作ろうとする。このような循環にしていくべきだ。

 国力を大きくするためには、必ず経済を成長させなければならない。もちろん、文化の力、日本であれば自由主義や民主主義が必要である。しかし、経済力がなければ、国際政治の中で影響力も劣るし、国防すら出来ない。地球が一つの組織で、そこに地球法があり、それが絶対のものであれば別だが、そうではないからだ。一国が素晴らしい考えや利他主義の思想があったとしても、経済力を持っていなければ何も出来ないのだ。これは、業界においても会社においても同様だ。農業生産は日本のGDPの1%しかない。その中でも花き類は更にウエイトが小さい。日本にとって欠かせない農業生産を増大させる。また、花きをもっと使ってもらえるよう消費振興を行う。これらの努力がどうしても必要だ。そして経済と自然環境とは、地球規模でつながっているので、「Thinking Globally, Acting Locally」の考えで、花き産業を考える。日本独自の花を生産拡大し、国際認証基準を取得し輸出が出来るようにしておく。このことも欠かせない。まず、経済力だ。  


投稿者 磯村信夫 16:33