社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2018年03月05日

社会インフラを担う市場業者の心構え


 今国会で、新卸売市場法と、新食品流通構造改善促進法がセットになって審議され、可決されると思われます。新卸売市場法では、国や都道府県が開設者を「認定」します。そして、開設者は、卸売市場業務を行う卸売会社、仲卸会社を承認します。

 ここで問題なのが、東京都中央卸売市場でさえ、卸売会社の逼迫した営業利益率の低さと、仲卸会社のうち、赤字経営の会社が3割もあるという事実です。卸売市場改革が行われましたが、現行の卸売市場法は残りました。公正な取引の場としての、卸売市場が果たす公共的な役割が認められたためです。しかし、卸売市場を構成する卸・仲卸の経営が不振では、皆様に役立つための投資をすることも出来ません。このままでは、生産者と消費者、また、小売店の為に、質的・量的に役立つということが限定されてしまうだろうと思います。社会インフラとしての役割を担うためには、健全な経営をする必要があります。そこで、卸売市場で働く我々自らを律する意味も含めて、3年、ないし、5年ごとに場内業者の見直しを図り、退場、及び、新公募での入場を行うことが必要なのではないかと考えています。

 鉄道業や高速道路業、あるいは、水道、電気やガス、通信等のインフラ業務においては、規制緩和が進み、民間でも運営出来るようになっています。「あなたは何をする会社ですか」と問われれば、例えば、鉄道業の場合、「ヒトや荷物を安全安心に運ぶ会社です」と答えるでしょう。それと同様、私たちは、「卸売市場という場で、卸売市場システムを使い、生鮮食料品花きを卸売する会社です」と答えます。しかし、本業はどの業種でも利益が薄くなっています。そこで、周辺ビジネスで稼ぎ、本業を全うするのです。また、周辺ビジネスで利益が出ても、公共インフラといわれる仕事をする限り、本業を忘れてはなりません。その会社がトータルとして健全経営を行い、本来の目的に則った業務を行うのです。

 基準をどのように設定するかは、本当に難しい問題ですが、卸売市場を繁栄させるために、即ち、生産者と地域の消費者、また、その消費者に生鮮食料品花きを販売する小売店の為に、退場や入場のルール設定を開設者にお願いすべきでしょう。卸売市場が社会に欠かせない公共インフラとして機能するために、そして、日本社会がより良くなるよう、強く申し上げていきたいと思います。


投稿者 磯村信夫 15:49