社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2021年07月12日

物日は一週間のリズムだけではこなせない。


 7月盆を迎える今週、出荷者・小売店とも7月盆は11日がピーク、12日は足りないものの買い足し。店での販売は12日の午後から迎え火の13日、ここがお盆の花の小売需要のピークとなる。

 8月盆は10日が、7月盆は11日に出荷ピークを持っていくのが、業者の需要に合ったものだと言われてきた。ただこれは、現代には当てはまらなくなってきていると感じる。まず、年代による動き方の違いがある。年配の方は日付で動くが、若い方に多い共働き世帯はそうもいかず、曜日で動く。8月盆のように休暇と結びついていない為、7月盆は仏壇のある実家に行くことが出来ない人が多い。従って、7月盆を執り行うのは年配の方に集中するが、日付で動くから、盆用商品を12日に買うか、13日に買って迎え火の夕方までに揃えておく。花も牛馬も、ホオズキも盆提灯もである。従って先週末、7月盆用の花は、ホオズキから仏花まで、予定したよりも週末は荷が動かなかった。そして、切り花・鉢物ともの単価は、梅雨前線が活発になった先週から下って、過去五年間の真ん中の平均単価を推移することになる。  

 これまでの物日と違う点として、各カテゴリーの小売店で売れ方が違うので、マーケティングも個別に実施しなければならない。花の場合、切り花は月・水・金、鉢物は火・木・土(火と土が中心)のセリ日で動いている。このリズムは、20世紀のころの、家族経営が殆どの生産者と、同じく家族経営が殆どの小売店のニーズが合致したからだ。「今日は売る日、今日は畑で整理する日」、「今日は仕入れに行く日、今日は店にいたり、配達する日」等、一日おきの方が上手く仕事がまわるという気持ちから、いつのまにか切り花は月・水・金、鉢物は火・木・土のリズムが出来上がった。これが、小売店のチェーン店や花束加工業者も増え、「会社」が多くなって毎日納品が必要になる等、各カテゴリーの小売商によって随分と事情が変わってきた。この増えてきた業態がターゲットとしている消費者は、コロナ禍では60歳未満が中心だ。  

 コロナ禍で消費活動を活発に行っているのが若い年代中心なので、花き卸売市場の売れ筋は、いつの間にか自然調の草花類や枝物等、鉢物は観葉植物等が多くなってきた。そして、切り花では月・水・金とリズムがあり、特に週末の需要を見込んだ金曜日は一週間で一番の大市になっている。  

 卸売市場の役割は、安心して出荷してもらうこと、セリで価値を決めること、市場に来た小売店に、買った花を無駄なく生活者に届けてもらうことである。無駄(ロスフラワー)が出ないサプライチェーンをするためには、業態別にお客さんや年代層が違うので、卸が業態別の市場に仕入れに来ている店舗を見て、どんなお客さんがどういう消費行動をとるかを見て、産地に伝えて出荷のタイミングや量を計ってもらう必要がある。特に物日は、母の日のように「第二日曜日」の週で来るものだったら良いが、日付で来るものは“読み”が必要だ。もう一度、卸売市場の卸の現場である「セリ」と、小売店の店頭等の「真実の瞬間」を生む場所、そして、圃場まで含めて「生産地の集出荷所」、この三つの現場に注力して、活動していかなければならないと思った次第である。  


投稿者 磯村信夫 15:45