社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

[]

2020年03月09日

消費拡大の草の根運動を、国が率先して後押し


 昨日の3月8日は国際婦人デーだった。毎年この日には、私の友人たちから妻に素晴らしい花が届く。届いたのは前日の7日(土)だったが、居間に飾ったら部屋が一段と明るくなった。

 その前日の6日(金)、江藤農林水産大臣の恒例の記者会見があったが、今回は“花き”についても触れていただいた。農林水産省HPの記者会見概要によると、記者から野菜価格安定制度のような、所得の保証等が何も無い花き農家に対しての今後の支援ついての質問があった。大臣は、国を挙げて消費を拡大すること、今後とも花き生産者がやる気をもって事業継続してもらうことを願うニュアンスの発言とともに、こんな時こそ、花を家庭やオフィスに飾っていただきたい。また、ホワイトデーに花をお返しに使ってもらいたい旨を発言されていた。その農林水産省では、「花いっぱいプロジェクト」の取組みが始まっている。
 
 大田市場では、今朝9日(月)、買参人組合である大田市場花き部事業協同組合を代表し、国分寺に店を構える(株)はなひろ様がセリ場でお話された。キャンセル等が重なり大変な時だが、事業協同組合が制作した「お彼岸に花を」のポスターや、大田花きHPからダウンロード出来る「今年はおうちで お祝い & お花見!」ポスターを活用いただきたいこと等を呼び掛けていただいた。ポスターは他にも、農林水産省HPからダウンロード出来るホワイトデーの素敵なものもある。是非とも、一つ一つの小売店、お花屋さんたちが、生産された花を無駄なく家庭に、あるいは、プレゼントなどで消費者のもとに届けてもらう運動に参加してもらいたい。一生懸命、消費者へ訴えて、普段の消費行動への習慣づけにまで繋がることを期待したい。また、農水大臣の記者会見を踏まえ、沢山のメディアが取り上げてくれたこと、特に、台風15号の被害に遭った千葉県の復興の花が、ようやく出荷が始まったというのに、行き場を失ってしまったことも取り上げ、花を飾ろう運動に賛同してくれることは、花き業界の一人として本当に有難いと思った。さらに、今朝の日経MJ新聞でも、今回の在宅勤務を、オリンピックの交通対策の前倒しや、将来を見据えたテストケースとして捉え、その際に必要なものを列記していたが、その中に観葉植物や生花が挙げられていた。「花を飾ることが不可欠」というのは言い過ぎだが、「観葉植物や切り花を飾って快適に過ごす」ことが必要だと掲載されている。
 
 ストックやスナップ、カラー等の千葉県の生産者様の中には、昨年の台風被害の後、自分の家はまだブルーシートで覆われているにも関わらず、とにかくハウスを建て直し、最近ようやく出荷された方も多くいらっしゃる。その矢先に新型肺炎の災害だ。これではあんまりだと、「千葉県の花を見たら購入して欲しい」と私も友人たちに訴えかけた。すると、何人かからレスポンスがあった。「普段、花をあまり買わないから、どれが千葉の花か分からなかった。スーパーで買ったものだから、バラを買った」。「妻からとても褒められた」という人までいた。面白いもので、自分で買った花は、自分で育てたのと同じくらい愛情が湧くようで、花に対する興味が急に湧いたようだった。著名な評論家等が言ったことよりも、身近な人や、自分と同じような人がやっていることに、我々は説得され行動を起こす。新しいムーブメントの一つのきっかけになればと思う。
 
 
 今は取扱い数量と金額を見て、花き業界の誰もがゾッとしているが、一方に「これは仕方ない。一生懸命やるだけだ。消費者に振り向いてもらうにはどうしたらよいか」と、自分たちで出来る活動を始めている。そして、国も本気になって率先して「花いっぱいプロジェクト」を展開してくれている。ピンチをチャンスに。今回のことを、「災い転じて福としたい」ところである。
 
  投稿者 磯村信夫 15:28