社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2019年07月29日

日本農業新聞 市況欄の見方


 今朝のセリでは、中国から輸入された白菊が沢山販売されていた。「相場はどうなっているだろうか」と考えながらセリを見ていた。特に仏事の物日になると、隣国・中国から白菊、一部黄色の菊が市場流通でも、市場外流通でも出荷されている。

 各国から優れた花を輸入している輸入商社の方にお会いした時、私はいつも日本農業新聞の市況欄を見ることの重要性をお伝えしている。青果も含めて市況を読み込むことは、輸入商社だけではなく、我々中間流通に位置する卸・仲卸、場外問屋、系統農協の販売員、ブーケメーカーや量販店のバイヤーまで含め、生鮮食料品花き流通業者にとって欠かせない。何故なら、全国の主要市場から入手された、素晴らしい生データが掲載されているからだ。まず一面には、ダイジェスト版が端の方に掲載されている。過去5年間の平均比と比べてどうか、前の市に比べてどうだったかを伝えている。そして市況欄ページの上部では、花なら大田花き、なにわ花いちば、名港フラワーブリッジ、札幌花き園芸、仙台生花、花満、福岡花市場の生データ(各品目の入荷量と平均単価、前市比、前年比、前々年比、5年比)が掲載されている。生データなので実際の予約相対やセリ販売がいくらであったかは分からないが、各市場の取引状況を伺うことが出来る。これと併せて、その下に掲載されている各卸売会社からの市況を見るのだ。今は夏だから、北の北海道から九州の順に産地事情、運送事情を加味しながら確認する。卸売会社が「自分をどう見せたいのか」が非常によく分かる。このように市況を読み込んで相場を読むのである。また、長期の傾向を取るためには、(一社)日本花き卸売市場協会が毎年発行している「市場流通調査概要」や、東京都中央卸売市場が毎年発表している各産地の品目別の細かいデータが大変参考になる。
 
 これらを参考に見ると、昨年、7、8、9月は相場が高かったため、本年の同時期、様々な出荷物において多く生産出荷されている。一方、6月から7月の相場が安かったので、買参人は「8月、9月が高いだろうね」と言っている人たちが多い。さて、どうなるだろうか。現在、昨年程は高くならないが、過去5年平均で3番目から2番目の相場水準に近づいてきたように思う。しかし、「前進開花に高値なし」とも言われている。トータルの売上金額で、産地が十分やっていけるだけのものにしていけるか。そこがポイントの、多少潤沢感のある2019年8月初旬の取引になりそうだ。


投稿者 磯村信夫 16:23