社長コラム 大田花き代表取締役社長 磯村信夫のコラム

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2021年04月12日

協創型ビジネス


 世界で都市人口の増加が止まらない。国連の発表によると、2007 年、都市に生活している人口が 世界全体の半分を超えている。そのうち30を超える都市が、1,000万人を超える人口を有して「メガシティ」と呼ばれている。人が集まり、知識や諸活動が集積化され一大拠点化すると、効率が上がり、利益が生産、小売、消費者の三者に行きわたる。しかし、都市部に自然は少ない。快適な都市生活を送るために、花や緑の産業の意義は、世界の都市人口の増加とともに高まっていた。それが今回のコロナ禍でステイホームせざるを得なくなった結果、花と緑の必要度合いはさらに高まっている。  

 日本でも現在、都市部を中心に不必要な移動を自粛するよう呼びかけられている。後2年は、新型コロナウイルスに気を付けながら生活をし、さらに、新型コロナウイルスがインフルエンザウイルスの1つと同じように位置づけられ、日常的なものになっていくのは、10年かかると言われている。従い、それに合わせた対策を花き業界でも行っていく必要がある。その為の企業の考え方の1つが、サプライチェーンの中での「協創型ビジネス」だ。文字通り「取引先と『一緒に創り上げる』ビジネス」である。どんな業種でも、企業の仕事は、その企業の強みや技術を生かして、取引先の課題を解決することだ。大田花きの場合、どんなカテゴリの生活者にどんな用途で使ってもらう花を供給するか、その時のマーケティングはもちろんのこと、品目・品種選びから始まり、生産方法、種苗の種類、輸送問題等、生産者にも販売業者にも、課題はいくつもある。この課題を一緒になって解決しながら花き類を生活者に渡していく。

 新型コロナウイルスの感染ルートで、日本でもどの都市がどこの地域の都市と関係が深いか、人・物の流れ等、様々なことが分かっている。どのように都市間で連携を取ることが出来るか。また、リモート化が加速したので、今の首都圏のような極端な人口集中状態から、理想的にはドイツのような、100万人以上の都市を作らないよう、全土に産業分布し、人口が分散出来るか。自然と文化との共生の中で、人の知恵が具現化していけるよう、地域の花き産業のインフラである卸売市場として、現実的に考え、そして理想へ近づく過程での課題を1つ1つ解決していく。これを、花き卸売市場間の共通目標とする必要があるのではないか。そして、産地、あるいは、小売店、取引先の会社と、「協創型ビジネス」を卸・仲卸は行い、地域の生活者に花を沢山使ってもらうようにするのだ。  


投稿者 磯村信夫 11:30