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2021年01月22日

レポート!アジアの花世界 マレーシア編

当社海外担当がアジア各国でこれまでに出会った花文化をご紹介していきます。

第4回はマレーシアから!

一年を通じて常夏の気候や日本人の舌に合う料理店が多いことで人気のマレーシア。今回はそんなマレーシアの花事情をお伝えします。

東南アジアの中心に位置するマレーシア。通称「KL」の呼び名で親しまれている首都クアラルンプールの地名には、「泥の川が合流する場所」という意味があります。ペトロナス・ツイン・タワーやKLタワーなど超近代的な構想建築物のすぐ外に古い屋台が立ち並び、イギリス植民地時代のピクトリア様式の建築物があると思えば、すぐそばにはイスラム教の礼拝堂であるモスク建築が見える街中の風景は、まさに多種多様な民族・宗教・文化が「融合」する街といえます。

そんなマレーシアは花の生産が大変盛んです。みなさんは、日本が輸入する切花の半数をマレーシアとコロンビアが占めていることをご存じでしょうか?特に、菊の輸入量の約6割をマレーシアが占めており、日本の花文化にとって欠かせない国の一つとなっています。クアラルンプールの北約150KMのパハン州にあるキャメロンハイランドは、高原リゾート地として有名なエリアですが、品質の高いスプレーギクの産地としても有名です。標高1500mを超えるため、年間を通じて気温が20℃前後と安定しており、天候も穏やかな環境で、菊の栽培に適しています。高原の斜面に広がる大規模な菊農園のハウスや工場では、見事なスプレーギクが咲いています。
キャメロンハイランド2キャメロンハイランド1

切花の一大産地であるマレーシアですが、そこに住む人々は花をどのように生活に取り入れているのでしょうか。クアラルンプールには、花き小売業者が700ほどあるといわれているものの、街を歩いていてもあまり花店を見かけることはありません。実は、花店の多くが店舗をもたず、インターネットのフラワーギフトショップや花を扱うイベント会社のようです。では、マレーシアの人々の生活の中に花がないか、というと、そんなことはありません。多種多様な民族が一緒に暮らす街・クアラルンプールでは。それぞれの民族性や宗教、文化、生活に合わせたスタイルで花文化を楽しんでいるようです。
「インド系は日常生活で花をよく使う。イスラム教徒はぜいたくな食よりも花を選ぶ。ただし、中国系は無駄使いとして花を見るがね。」と中華系のフローリストの方が笑って話してくれました。
クアラルンプール1クアラルンプール3
文責 社長室