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プレスリリース

2017年4月より、花き流通の委託手数料を改定いたします

2017年1月16日
株式会社大田花き
(JASDAQ:7555)

- 花き中央卸売市場国内最大手、世界第3位の(株)大田花きの新たな取り組み -


2017年4月より、花き流通の委託手数料を改定いたします

※2017年2月正式届出予定

従来は一律で委託手数料9.5%、
今後は「委託手数料」8% + 「荷扱い料」の料金体系へ


卸売業界初の委託手数料率引き下げという改革に自ら取り組み、
リーディングカンパニーとして日本の花き農業の発展に貢献していきます


 農林水産大臣認可のもと、東京都の委託を受け、大田市場花き部において中央卸売市場を運営する国内最大手、世界第3位の花き卸売会社である株式会社大田花き(本社:東京都大田区東海 社長:磯村信夫)では、2017年4月より、生産者(出荷者)から受け取る委託手数料を改定する予定です(東京都に対しては、2017年2月に正式に届け出る予定です)。 
 従来は、一律に委託手数料を9.5%(※1)として中央卸売市場としての業務を推進してきましたが、2017年4月からは「委託手数料8%」と「荷扱い料」に分けた料金体系といたします。荷扱い料は、1口(※2)あたり100円、但し、一定規格を満たした場合(※3)には1口あたり50円と設定しました。
 卸売業界において、委託手数料率を下げる形で改定するのは初めてとなります。近年、農業改革が推進されていますが、当社は花き中央卸売会社のリーディングカンパニーとして、まずは自ら改革に乗り出し、日本の花き農業・花き産業の発展に貢献していきたいと考えています。

 当社は花き中央卸売市場として、「物流(荷受け、荷捌き、セリ後の引き渡し作業)」、「商取引(セリや相対取引、公正な取引による価格形成、)」、「市況情報(需給情報、トレンド情報等)」、「決済」の4つの機能を果たしています。従来は、一律の委託手数料(9.5%)ですべてをまかなってきましたが、今回の改定により「物流」にかかる料金を明確化することで、より一層の透明化を図っていきます。

 生産農家にとっては合理的な生産活動が実現します。当社は従来より、生活者ニーズやトレンドを踏まえ、生産者とともに売れ筋商品を企画立案したり、作付けアドバイスを提供してきました。これらに加え、需要やトレンドにあわせて品種を絞り込み、適正ロットで生産することによる合理化、効率化が図られ、適正な利益を得ていただくことにつながるものと期待しています。

 当社はこれまで、業界初のセリ下げ方式による「機械セリ」導入(1990年)、業界初の株式公開(1997年)、自動仕分け装置を導入した物流棟稼働(1999年)、インターネット受発注サービス(2000年)、業界最大規模となる保冷庫を完備した新施設「OTA花ステーション」竣工(2016年末)などに取り組み、中央卸売市場としての機能を磨いてきました。
 今回の委託手数料改定は、新たな時代に求められる中央卸売市場のあり方を追求した結果、透明性・合理性向上にも寄与するものとして決断いたしました。
 現在は卸売市場法に「商物一致の原則」(※4)が定められていますが、物流手段・通信手段の発達などによりいずれ「商物分離」が認められる時代に突入すると、当社は考えています。「商物分離」が認められると、「商取引」、「情報」、「決済」は当社を経由しますが、現物そのものは当社を経由せず、産地から買参人に直接運ばれることとなります。その場合は委託手数料のみでの展開が可能となるため、生産者にも当社にも合理性が発揮されます。

   花きは品種数の多さや冷凍ストックができない等、取り扱いの難しさから、卸売市場経由率は78.0%(2013年、金額ベース)と、野菜・果物、魚や肉に比べて高くなっています。価格形成機能も含め、花き流通において当社が果たすべき役割は今後も大きいと考えます。
 当社は今後も、花き卸売会社のリーディングカンパニーとして未来を見据え、自らが率先してイノベーションに取り組むことで、日本の農業、花き業界の活性化、発展に寄与するべく、全社一丸となって邁進していきます。

※1 中央卸売市場の委託手数料率は、かつて卸売市場法によって、野菜8.5%、果物7.0%、水産5.5%、食肉3.5%、花き9.5%と定められていました。2004年の卸売市場法の一部改正を受けて、2009年4月から卸売業者自らが委託手数料率を設定、開設者に届け出る制度になりました。なお、花きは1971年公布の卸売市場法と1973年の同法施行令の一部改正によって、新たに「生鮮食料品等」に追加されました。これにより、計画的な市場整備の対象となり、1973年に全国初の中央卸売市場花き部が仙台市に開場しました。その際に、それまでの商習慣を参考に手数料率9.5%が定められました。

※2 1口とは、セリや相対取引において売買される単位で、生産者が指定します。切り花の多くはダンボール箱に入って流通しますが、花きには鉢物、枝物など様々な種類・形状があるため、口数=箱数とは限りません。

※3 「一定規格を満たした場合」とは、当社の保有する「自動仕分け装置」に投入することができる横型のダンボール箱にて出荷された場合を言います。現在、一般社団法人日本花き卸売市場協会でも、JIS規格のT11型パレットをベースにした出荷形態の規格統一について検討されておりますが、当社の「自動仕分け装置」の規格もこれに準じております。

※4 「商物一致の原則」は、卸売市場法第39条において、卸売業者は中央卸売市場における卸売の業務について、原則として、市場内にある生鮮食料品等以外の卸売をしてはならないことが規定されているものです。流通の効率化を図るため、2004年の卸売市場法改正にて一部規制の緩和が実施されました。


  花き流通において当社が推進してきたイノベーション


■ 国内で初めて、「セリ下げ」方式による「機械セリ」を導入。
     ⇒ その後、他の花き卸売会社も導入。現在は業界のスタンダードに。


 当社は、1989年、花きを取り扱う卸売会社として設立しました。翌1990年、東京都中央卸売市場大田市場花き部の開場と同時に営業を開始しました。
 同年、花き卸売会社として世界のトップを走るオランダの卸売市場にヒントを得て、国内初となる「セリ下げ」方式による機械セリの導入に踏み切りました。それまでは、人が手を使って対面形式で行う「手セリ」で、入札価格が徐々に上がっていく「セリ上げ」が主流でした。当社が業界に先駆けて導入した「機械セリ」による「セリ下げ」は、高い価格からスタートし価格が下がっていく中で買参人は欲しい価格で機械のボタンを押して入札します。一番最初に押した人がセリ落とせるというものです。
 これには大きく2つのメリットがあります。1つは、スピードです。他の生鮮品に比べ、花きはセリにかけられる品種が多いため、コンピューター制御による機械セリの導入は作業スピードを上げ、効率化に大きく寄与しました。もう1つは、卸売市場の使命というべき公平性・透明性の確保です。従来の「手セリ」では、ややもすると属人的、恣意的な要素が入り込む可能性がありましたが、機械化することでその可能性を排除し、公平で透明性ある取引を実現しました。

 1992年、卸売市場の近代化に寄与したとの評価をいただき、社団法人日本ロジスティックシステム協会より「’92 物流大賞奨励賞」を受賞しました。1995年にはセリシステムをリニューアルし、セリ機を5台から8台に増設。2012年にはセリ機を全面リニューアルし、セリ場の全席にパネル式のパソコンを設置しました。

 当社が始めた「セリ下げ」方式による「機械セリ」は、その後、他の花き卸売市場も導入し、現在では花き業界のスタンダードとなっています。


■ 上場による経営の透明化

 1997年、青果・花きの卸売会社として国内で初めて、日本証券業協会に株式を店頭公開しました。その後、2004年には、日本証券業協会への店頭登録を取り消し、ジャスダック証券取引所(現:東京証券取引所JASDAQスタンダード市場)に株式を上場しました。
 現在においても、青果市場、花き市場において株式を公開しているのは当社のみとなっています。当社は率先して経営の透明化をはかり、情報公開を徹底し、公平・公正な中央卸売市場としての機能を果たしていきます。


■ 物流投資、IT化の加速

 1999年、物流棟を稼働させ、自動仕分け装置を導入し省力化を推進しました。
 2000年、セリ前取引需要の増加に対応しインターネット受発注システムを開始しました。さらに、インターネットによる市況情報サービスも展開しました。
 2007年、進行中のセリにリアルタイムで市場外からも参加できる、在宅セリサービスを開始しました。


■ 2016年12月、鮮度保持機能を強化した「OTA花ステーション」竣工

 2016年12月、大田市場内の約5,800㎡の敷地に、鉄骨造・地上3階建、延床面積約12,200㎡の新施設「OTA花ステーション」を竣工しました。2階と3階には約2,200㎡ずつの保冷庫を整備するとともに、花きを搬出入するプラットフォームなど計14本を新たに設置しました。
 業界最大規模の保冷庫整備により、鮮度保持機能がさらに強化され、一層の効率的・合理的物流を実現していきます。


株式会社大田花き 会社概要


◆商   号       株式会社大田花き
◆設   立       1989年1月
◆取締役会会長兼代表執行役社長   磯村 信夫
◆本   社       東京都大田区東海2-2-1
              TEL 03-3799-5000
              FAX 03-3799-1871
◆事業内容       花およびその加工品の受託販売ならびに購入販売
◆資 本 金        5億5,150万円 (2016年3月31日現在)
◆売 上 高        264億8千万円 (2016年3月期)
◆従業員数       194名 (2016年3月31日現在)

この件に関するお問い合わせ先
株式会社大田花き  管理本部
〒143-0001 東京都大田区東海2-2-1
TEL 03(3799)5571   FAX 03(3799)1100